日本橋周辺でランチタイムとなり、いろいろと迷った末に「利休庵」に入りました。昭和27年創業の老舗。地下1階から3階までの4フロアある大きな店です。お昼の真っ盛りでしたが、運よく入り口付近に席がありました。かつ丼を注文、1500円です。かつ丼を待つその間にも、サラリーマンや女性の二人連れ、ご近所さんと思われる人など、ひっきりなしにお客さんが入ってきます。さあ、かつ丼が運ばれてきました。
お吸い物と漬物付き。流石に肉厚の豚肉だな、と思いながら一口。あれ、正直に言ってちょっと辛い。味が濃いというより辛いのです。また箸を動かすと割と簡単に衣がはがれる。はがれて裸になった豚肉は流石に立派でしたが、ちょっとねえと思いながら食べていました。
あとから席に着いた女性客は、ご飯の量などを細かくオーダーしていました。程なくそのお客様に膳を運んだお店の方は「量は調整していますが、多かったら遠慮なく残してください」と言い添えていました。そんな風景を眺めながら箸を進めていると、私もシニア世代、お吸い物にちょっとむせてしまいました。すると後ろから、さっとお冷やが差し出されたではありませんか。なんという気配り。しかもお昼の立て混んでいる最中に。さり気なくお客の様子をきちんと観察しているのです。ちょっと感動してしまいました。さきほどのかつ丼の不満は一気に解消。老舗のおもてなしも含めて美味しくいただきました。
日本橋・利休庵
東京都中央区日本橋室町1-12-16