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キネマスキーの<たかが映画 されど映画>(その7)―孤島に持っていきたい一本の映画ー

映画マニアの間では、「もし孤島で一人暮らしを強いられる時、持っていきたい一本の映画は?」という問いかけがよくある。
「最も優れた名作」、「最も好きな映画」などとは少し趣きが異なる。
何度繰り返し観ても飽きることがなく、孤独な一人暮らしを慰めてくれる大事な友のような作品が選ばれる。

私は迷うことなく「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984年米・イタリア合作映画)を選ぶ。二人のユダヤ系ギャングの半世紀にわたる友情と相克の物語である。ギャング映画の傑作といえば「ゴッドファーザー」があるが、この映画がマフィアのドン一家の暗く悲しいクロニクルを重厚に描いた名作であるのに対して、「ワンス・・・」は、監督セルジオ・レオーネ節ともいえる心地よいケレンあふれる四時間近い超大作娯楽映画。ギャング映画にもかかわらず、何度観てもいつも滂沱の涙で、日本人の浪花節的なセンチメントを揺すられる。

マカロニウェスタンで鍛えられたセルジオ・レオーネの遺作となったこの作品は、孤島にあるわが心根を癒してくれること間違いなしの一本である。
今夜もまた、徹夜覚悟で独り「ワンス・・・」を観てみよう。

 

*キネマスキー
年齢・国籍不詳。「単館荒らしのキネマスキー」を自称し、余り世上に上らぬ
マイナーでオタクな映画世界の徘徊者。6年ほど前からNPO法人新現役ネッ
トの映画講座「シネマの迷宮」を主宰。
*映画サロン「シネマの迷宮 この映画知ってる?」
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