映画の好みや評価は百人百様。私の映画仲間の中には、作品の質はその映画に使われた火薬の量に比例すると断言する活劇マニアすらいる。
ただ、映画に向かい合うとき心しなければならないのは、「映画は嘘をつく」ということ。
「こんなこと現実にはあり得ない」とか「理屈に合わない」とか、そんな現実的な思考に囚われていては映画を友にすることはできない。
所詮、映画はカメラの前の虚構の世界。だからこそ、スクリーンの暗転とともに異次元の空間を飛翔する感性の旅が始まる。嘘で固めた世界で、泣いたり笑ったり手に汗握ったり、これこそが映画に騙される愉楽である。
リアリストのあなた、嘘だと思ったら、「ユージュアル・サスペクツ」(1995年製作米映画)を御覧なさい。騙される恍惚に病みつきになるから。
★キネマスキー
年齢・国籍不詳。「単館荒らしのキネマスキー」を自称し、余り世上に上らぬマイナーでオタクな映画世界の徘徊者。6年ほど前からNPO法人新現役ネットの映画講座「シネマの迷宮」を主宰。
◆映画サロン「シネマの迷宮 この映画知ってる?」
日時:毎月第1土曜日13:30~
場所:NPO法人新現役ネット田町会議室
問合せ:03-5730-0161