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キネマスキーのたかが映画されど映画(その3) ―映画の品格―

人にも品位・品格があるように、映画にもそれがある。 

映画にも「行間を感じ取る」楽しみがある。

先ずは観る側の感性や想像力に敬意を払い、過剰な説明をしないこと。

某公共放送の朝ドラや大河ドラマじゃあるまいし、やたら冗漫な説明描写を施す作品には腹が立つ。観客の映画的な資質を馬鹿にしているとしか思えない。

何よりも品性下劣なのは、「百倍泣けます」といったたぐいの映画。

「世間受け」や「物議惹起」といった作り手の手の内が透けて見えてくる作品に出合うと、スクリーンに水をぶっかけたくなる。

アメリカの某有名監督などは、社会派の巨匠と崇められているだけにたちが悪い。

作品のみならずその作り手にもその高い品格を感じる私の大好きな一本を紹介しよう。

台湾の名匠ホウ・シャオシェンの「恋恋風塵」(1989年日本公開)。

香り立つような品位に満ちたこの映画のたたずまいに、心洗われる思いを覚えるのは私だけではあるまい。

 

★キネマスキー

年齢・国籍不詳。「単館荒らしのキネマスキー」を自称し、余り世上に上らぬマイナーでオタクな映画世界の徘徊者。6年ほど前からNPO法人新現役ネットの映画講座「シネマの迷宮」を主宰。

◆映画サロン「シネマの迷宮 この映画知ってる?」

日時:毎月第1土曜日13:30~ 

場所:NPO法人新現役ネット田町会議室

問合せ:03-5730-0161