新現役ネットの正会員で、『珠玉の「一宮」謎解き紀行―全国津々浦々に鎮座する一〇三社を巡る―』の著者・齋藤茂樹さんにこれまでのご経歴を伺いました。もともと神社等に興味があったのでしょうか?
私は理系の人間で、大学の機械工学科で学び、自動車製造会社に就職。生産技術者としてスタートしましたが、新車の展開計画、原価管理、海外事業、BtoBの営業と、担当分野が純粋な技術からだんだんと離れていきました。
ゴルフに例えるならば、球がスライスして技術畑というフェアウェイから外れ、あわやOBかと思ったものです。
ですが、最後の10年間、経営に携わり、それまでの経験すべてを役立てることができました。一方、私は50代半ばに差し掛かった頃、退職後に何をするかを考え、興味があることを20個ほどリストアップし、内容を検討していきました。
そして、63歳で退職した後、リストの中から古事記と能を選んで学び始めたのです。なぜそれらを選んだのかといえば、私はずっと技術系でしたから、今までとは違う日本的なもの、人文的なものに携わりたいという気持ちがあったのです。
(齋藤茂樹さんプロフィール)
1946年東京都生まれ。自動車部品製造会社役員を退任後、「NPO法人 新現役ネット」の講座で古事記を学ぶ。それをきっかけに全国の一宮をめぐり、本を上梓。