新現役!シニアわくわくブログ

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#映画「フラガール」と”デコスケ”

東京・田町駅前にあるNPO法人新現役ネットの事務室。その中にある会議室では、毎月1回「シネマの迷宮」という映画サロンが開催されています。114回目を数える10月2日には、「フラガール」を参加者と鑑賞しました。2006年に製作されたこの作品は、経営危機に陥った常磐炭鉱を、フランダンスショーを目玉としたハワイアンセンターとして復活させた人たちの、汗と涙と笑いの物語です。多くの映画賞を獲得し、皆さんの中でご覧になった方もいらっしゃることでしょう。

f:id:tanabetan:20211006162833j:plain  ←ボタ山とフラガールたち

この映画で東京から流れてきたダンス教師を演ずる松雪泰子、フラガールのリーダーとなる蒼井優、そしてダンサー役の山崎静子や徳永えり、エキストラに至るまで、ダンス経験がまるでない人たちだそうです。意図的にそうしたキャスティングを組み、猛練習を繰り返して、ラストシーンのフラダンスショーのような、見事なダンステクニックとコンビネーションにまでたどり着いたのです。そうした隠されたもう一つの汗と涙が、独特のリアリティとなって映像から醸し出されています。

更にこの映画の魅力の一つに、出演者たちが発する茨城訛りとも常磐訛りとも言えないユーモラスなセリフ回しがあります。早口でまくし立てる、全く解読不可能な長台詞も含め、この方言の習得にも、出演者の大変な苦労があったことでしょう。例えば「デコスケ」という言葉が何回か登場します。一緒に鑑賞した人達の中に、いわきご出身の方がおられ、この映画で使われている方言、特にデコスケなどは今は殆ど話されていない、死語に近い、と云われていました。

デコスケはいい加減な奴、ばかたれ、というような意味です。この「デコスケ」、幼いころ我が家で聞いた覚えがある、と突然思い出しました。亡父が私を叱った時に使った言葉でした。我が家の本籍は確かに福島ですが、常磐とは遠く離れた地域であり、祖父の代に分家して以降は殆ど没交渉と聞いています。なぜ、亡父が「デコスケ」を使ったのか? 考えていて、フト思い当たりました。私が生まれる前に亡くなった祖父は、常磐からそれほど離れていないいわき市の磐城中学(現・磐城高校)の卒業生でした。本籍地からはとても通学できる距離ではないので、恐らく寄宿生活を送ったのでは、と推測されます。知らないうちに、祖父から父へ、そして私へと「デコスケ」が引き継がれていたのです。何か不思議な感覚に襲われました。

新現役ネットでは、東京でも大阪でも月に1回、映画を鑑賞する会を開催しています。東京で開催される「シネマの迷宮」、次回は11月6日(土)。上映作品は「焼肉ドラゴン」です。https://www.shingeneki.com/common/details/enjoy_learn/3496

                                (T生)