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はじめての鎌倉薪能(野外能)

10月初旬、鎌倉宮で行われた薪能へ行って来ました。

鎌倉宮は、多くの人で賑わう小町通りをぬけたさき鶴岡八幡宮からさらに東に600メートルほどの場所にあり、後醍醐天皇の皇子 護良(もりなが)親王を祀るため明治天皇の勅命により創建されたとのことで、

毎年行われる薪能は今年で60回を数え、鎌倉の秋の風物詩なのだそうです。

18時の開演に17時からはいれると聞き、行ってみると特徴的な白と赤の大鳥居の先の、ふだんは車が停めてある場所に、能舞台と約800の席が階段状に設えられていました。

境内では鎌倉の有名なお料理屋さんもお弁当など出しています。 

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暮れゆく時間のなか、厳かな太鼓の響きが始まりを知らせます。頭をさげて、祝詞とともに会場にいる全員でお祓いを受けました。

舞台の後方には薙刀を手にした僧兵が並び、その奥の御本殿で天下泰平が祈願され玉串が奉されると、法螺貝が鳴りいよいよ「火入れ式」です。御神火が灯された長い竿が神職から巫女へ渡され、巫女は拝殿からの長い階段を慎重にくだり能舞台にひかえる正副奉行へ手渡します。

御神火が正副奉行によって舞台両翼の薪木へ灯されて大きな炎になる頃には、あたりはすっかり暗くなり、見上げると星が光り、虫の音と鎮守の杜をわたる風の音につつまれた空間はなんとも幻想的でした。

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わたしの行った中日2日目の演目は「石橋(しゃっきょう)」で、この日は後半部分だけを演じる半能の形式でした。

この演目は、めでたく1日を締めくくる祝言能(しゅうげんのう)にあたるとのことで、ストーリーは中国唐の時代に文殊菩薩が住むという清涼山を訪れた寂昭法師が、麓にある石橋のたもとで文殊菩薩の使いの獅子とであい、咲き誇る牡丹のなかで獅子が豪快に万歳千秋をことほぐというもの。

牡丹の花と唐獅子は、各地の東照宮などの山門によく彫られていますが、文殊菩薩の使いなんですね。

歌舞伎に「連獅子」や「鏡獅子」など獅子が登場するものがありますが、それらはこの「石橋」を題材にしており「石橋物(しゃっきょうもの)」と呼ばれるそうです。

終演は21時近くでしたが、鎌倉駅までの市バスが臨時で何台も用意されていて、行きにテクテク歩いた道も10分ほどで着きました。

来年も来ようね、来年はお弁当食べようね、と話ながら鎌倉を後にしました。

事務局:ふな