新現役!シニアわくわくブログ

シニアに役立つ情報や新現役ネットの活動について発信していきます。

関西支部事務局より初投稿

〖関西〗

はじめまして!kannsai 

関西支部事務局のKです。

東京のブログに進出してきました。(※以前の関西ブログもリンクしていますのでお読みくださいませ。)

 コロナ禍の救世主 オンライン! 画面越しで繋がることが、世界j中・日本中でできるようになりました。

新現役ネット の講座もオンラインのできる講座が増えてきました。関西支部もオンラインのみの講座を行っております。

 オンラインのみの講座ですので、会場で参加していただけないのですが、充実した共有画面で講座を進めています。

 

 関東の方も関西の講座に参加していただき、エリアを超えたつながりを感じています。

これからも、関西の情報をお届けいたしますので、お読みいただければ嬉しいです!

京都、大阪、神戸のイベント紹介もしていきますのでお楽しみに!

 

 今月7日には、神戸教会モスクの見学、海外に移住した移民の方たちを紹介している海外移住と文化の交流センター移住ミュージアムで説明を聞く関西支部のイベントを行いました。知らない神戸を学ぶことができました。

9月21日は京都伏見を歴史散歩してきます。

ここはどこかわかるでしょうか?▼

 

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「君の膵臓を食べたい」ポスターがヒントです。

お読みいただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

いいね!よろしくです。

新現役ネット  関西支部▼ここをクリックして関西イベント情報をご覧ください。

www.shingeneki.com

 

#面白い本 「死のドレスを花婿に」P・ルメートル著

~「記憶」を操られた女の悲劇とその結末~

海外ミステリー小説が好きな方は、今から6年前「このミステリーがすごい(略してこのミス)2015」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「本屋大賞翻訳小説部門」第1位と、この年のミステリー界を席巻した「その女アレックス」を記憶しておられるでしょう。本来この作品はシリーズの2作目で、日本では第1作となる「悲しみのイレーヌ」に先がけて発売されたため、ストーリーに順逆の混乱が生じた面もありましたが、その内容の凄まじさが聊かも減ずることはなく、60万部の大ヒットを記録しました。未読の方はぜひ手に取ってみてください。さて「その女アレックス」の作者、ピエール・ルメートルが、「悲しみのイレーヌ」と「その女アレックス」の間に発表した作品が、今回ご紹介する「死のドレスを花婿に」です。2009年に発表され、日本では文春文庫に収められています。

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「死のドレスを花婿に」(文春文庫版)

シニアになって身近に感じる不安の一つが、認知症などで記憶が失われたり、記憶力が次第に低下することです。物語の主人公ソフィーは、愛する男性と結ばれ、仕事も順調と、まさに前途洋々たる楽しみに満ちた毎日が、些細なトラブルから徐々に乱されていきます。大切なものがなくなる、隠しておいた夫への誕生日プレゼントが後日違う場所から出てくる、劇場の予約が違う日に変わっている、などなど。彼女は自分の記憶と行動に自信がなくなり、充実した生活が少しずつ壊れていきます。義母の転落死、夫の交通事故と病院での転落死。孤独となり、泥沼にもがくソフィーの周りに起こるいくつかの殺人。彼女は自分が犯人かどうかもわからず、ただ逃亡を続けるしかありません。そして、‥‥。

余りに強烈なストーリーに、私はミステリー小説を読む際の「掟破り」を犯してしまいました。すなわち、エンディングを飛ばし読みしてしまったのです。しかし、そこから戻っても、この小説の面白さが減ずることはありませんでした。

原題は”Robe de Marié”、ウェディングドレスのことです。「死のドレス‥」という邦題は何とも稚拙ですが、結末はこの邦題通りになります。あとは秘密‥‥。

                                                                                                            (T生)

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#面白い本 「二十世紀」橋本治著(2/2)

~歴史の真実を論理的に学ぶ爽快感!~

二十世紀」上巻の1901年の記述は、大英帝国の君主ヴィクトリア女王の死から始まります。19世紀ヨーロッパの列強諸国=王様の社会に於いて、クィーン・ヴィクトリアは要(かなめ)の存在でした。第一次世界大戦の主役たち、ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム二世、イギリス国王ジョージ五世、ロシア皇帝ニコライ二世の妃アレクサンドラは、いずれもヴィクトリアの孫。ニコライとジョージは、デンマーク王室の血を引く従兄弟同士という血の濃さです。第一次世界大戦は「ヴィクトリア女王の孫同士の壮大な内輪喧嘩」とは、まさに言いえて妙だと思います。

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第一次大戦後、敗戦国ドイツに課せられた峻烈な賠償が、ドイツの民主主義を枯らせ、ファシズムを育む大きな要因となった、と言われていますが、この本の1921年の項を読むと、すべての事実関係が腑に落ちます。

第一次大戦末期、革命直後のソヴィエト・ロシアは交戦中のドイツに停戦を申し入れます。ドイツ帝国は、ロシアに賠償金と領土割譲を要求し、ロシアは致し方なくこれを飲みます。大戦終結後のヴェルサイユ条約に基づく敗戦国ドイツへの賠償金額は、1320億マルク(全て金貨で支払う) という莫大なもので、しかもロシアとの講和は無効とされたため、ロシアからの賠償金はドイツに支払われません。ドイツはハイパーインフレに陥り支払い不能。フランスはその見返りにルール地方を占領。イギリスはドイツからの賠償金をアメリカから購入した兵器等の支払いに充てる計画が頓挫。金持ち国アメリカは、ドイツの賠償額減額を提案し、同時にドイツに借款供与、戦時賠償の金の流れを戻そうとします。しかしその流れも1929年の大恐慌で再び崩壊、独伊のファシスト政権が誕生し、欲と恨みの連鎖が第二次世界大戦を引き起こしていく、という図式です。

この本は、世界史からこぼれ落ちがちな、しかし重要な事実をわかりやすく記述しており、イデオロギーという色眼鏡を外すとこれほど透明に事実が見通せるのか、という一種の爽快感さえ与えてくれます。年号と事実の箇条書きのような、無味乾燥な歴史教科書の副読本として、ぜひ中・高校生に読んでほしい一冊だと思いました。     (T生)

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