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人生の多毛作~デュアル・キャリアについて~ その2

デュアル・キャリア、複数のキャリア形成について考えています。

森鴎外が自らの史伝作品の主人公に据えた澁江抽斎、森鴎外自身、森鴎外をテーマとした著作で知られる吉野俊彦、みな本業で一流であるとともに、二つ目のワークでも立派な業績を残したひとたちです。

立派な業績などは求めないまでも、本業も破綻なく、副業(趣味)もそこそこに勤め上げるのは大変なことだと思います。でも副業があるから本業に集中でき、本業があるから副業が楽しめる。そうしたバランスが築ければ、(疲れるけど)なかなか楽しい人生となりそうです。経済的な理由から行うアルバイトは別として、自発的なサイドワークをもつと、シニアになってセカンドキャリアに移行してからは、今度はメインワークとなって、自らに生き甲斐を与えてくれることになります。

昨年亡くなった演出家の蜷川幸雄は、妥協のない厳しい指導で有名でした。その彼は2006年から、さいたまゴールド・シアターという平均年齢66.5歳(発足時)の劇団を主宰し演出していました。団員募集には1266人が殺到し、オーディションの結果48名が団員となってスタート。最高齢者は80歳でした。以降2014年まで、清水邦夫、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、岩松了といった名だたる現代劇作家の作品を上演してきました。多忙を極め体調もすぐれなかった蜷川が、多くの時間を割いて素人の集まりに近い老人劇団を率い演出し続けたのは、何に惹かれてのことだったのでしょうか?(この項、続く)        T.H生