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#すげえ、スケボー!

東京オリンピックが始まりました。

開催の有無については、いろいろな意見が渦巻き、開会式直前になって、過去の問題点をほじくり返された主要プロデューサー等がその職を去り、開会式では、延々と続くIOC会長の挨拶(バッハの受難曲?)、元首の挨拶に起立しない首相、”不動”の聖火ランナー「ミスターG」等々、それぞれに波紋を広げていますが、兎に角始まったのです。猛暑の下、奮闘するアスリートを応援しましょう。

さて、日本のスケボーが大変なことになっています。男子の金メダルにも仰天しましたが、続いて女子でも、わずか13歳の娘と高校生が金メダル・銅メダルを獲得しました。お台場の、コンクリートの広場と階段と手すりとスロープが設けられただけの、まるで異空間の競技施設での出来事です。

 

思い返せば、1998年(平成10年)に長野で開催された冬季五輪。当時、こぶだらけの急斜面を滑走する「モーグルスキー」は、全国的には知る人ぞ知るといったマイナー競技でした。しかしここで、その後長くモーグルのシンデレラとなる上村愛子が入賞を果たし、何と里谷多英が金メダルを獲るという快挙が起こりました。その時の放送で、解説者は解説というより、専門知識のある応援団のようで、「すげえ、多英!」とNHKの実況放送とは思えないフレーズを発しましたが、これから伸びていくスポーツの粗野な、しかし可能性に充ちたエネルギーを感じたものでした。

 

今回のスケートボードの解説は、往時のモーグルに輪をかけたもので「スゲー」「ヤバイ」「マジ」を連発し、明らかに経験と知識が足りないアナウンサーに「〇〇、スケボーうまいっすね」と同意を求めるに至っては、ナショナルトレーニングセンターに招集されて、科学の粋を極めたトレーニングを受けるメジャー競技等とは異なる、スケボーの野性的な逞しさ、ふてぶてしさを感じざるを得ません。私も初めて、この競技をTV観戦し、街中のコンクリートジャングル(古い表現!)で、高度なテクニックが体の隅々に沁み込むまで、何万回となく傷だらけになりながら練習を繰り返したであろうこの若者たちが、その汗と涙の跡を微塵も見せず、からっと演技している様に「異次元の光景」を見た気がしました。

そういえば「スゲー」の解説者氏も、特段日本人選手に肩入れするでもなく、全ての選手に平等な視線を送っていました。この競技が、国境を超え、若者世代の中でアメーバーのように発展したグルーバルなものであることもよく判りました。「この競技に、国旗掲揚や国歌演奏が馴染むのだろうか」そんな感じさえしました。(T生)

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