新現役!シニアわくわくブログ

シニアに役立つ情報や新現役ネットの活動について発信していきます。

自主グループご紹介:技術総合支援グループ

新現役ネットには数多くの自主グループ(同好会組織)があり、東京地区でのその数は2020年4月現在、24にのぼります。自主運営による、それぞれのグループの活発な活動を、グループ幹事さんからご紹介いただきました。 

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「新現役ネット技術総合支援グループ」は、日本の産業界において、研究開発、生産・品質管理、調達、営業、海外事業、知的財産管理、人材育成、組織マネジメントに携わった経験豊富な新現役(企業OB)が結集し、2007年7月、50人を超すメンバーにより発足しました。

現役時代に培った豊富な知見と人脈を生かし、日本経済を支える中小企業や今後が期待されるベンチャー企業などを、技術から経営に至る多面的な支援活動を行うことで社会に貢献したい、そう願って活動しています。同時に、この社会貢献活動を通じて私達自身のこれからの人生を豊かにする事を願い、日々努力しています。

具体的には、現在「品川区カタリスト(触発者)」として、品川区の中小企業の経営戦略、販路開拓、技術開発、生産管理、品質トラブル原因調査・対策、不良削減など、5社を超える企業の支援を行い、品川区から謝礼金をいただいております。

また、東京都立産業技術高等専門学校のキャリアデザイン教育のアドバイザーとして、若い学生たちを励ます活動もしています。

その他、活動の柱として毎年3回ほど、新現役ネットミドル塾との共催でフォーラムを開催しています。テーマは、9年前の福島原発事故の時は「日本のエネルギー事情を考える」、最近のデジタル革命に関連しては「次世代通信の5Gで何が変わるか?何が起こる?」、そして労働時間に大きな影響を与える法規制に対応して「働き方改革で変わる中小企業のマネジメント」など、時宜に即した話題を取り上げ、設立以来すでに44回を重ねています。

毎年1回程度、研修旅行と称して1泊2日の旅も楽しんでいます。福島復興支援のための常磐ハワイアン一泊旅行、八ッ場ダム見学、小渕沢旅行、足尾銅山と渡良瀬渓谷鉄道の旅など、昨年は箱根の予定でしたが、大涌谷の噴火で断念しました。

毎月第1火曜日の午後には、運営委員会を新現役ネット事務局の会議室で開催していますが、春には江戸川公園の桜見物、秋には殿ヶ谷戸庭園、小石川後楽園の紅葉などを楽しんでから運営委員会を開催しています。運営委員会では毎回運営状況のレビューをした後、サロンと称してメンバーからいろいろな話題を提供していただく時間を持ち知見を深めています。

皆様のオブザーバーとしての参加を歓迎していますので、ぜひとも一度見に来てください。お待ちしています。

問い合わせ先は⇒ http://gssgsc.sunnyday.jp/contact/ です。

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殿ヶ谷戸庭園にて(運営委員会前のひととき、紅葉を楽しむ)

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「技術総合支援グループ」の幹事さん、ありがとうございました。現役時代に培われた豊富な知見と人脈を生かしての社会貢献、素晴らしいです! 技術高等専門学校の生徒さん達も、人生の大先輩からの貴重な指導と励ましを受けて、社会に大きく羽ばたいてくれますね! ますますのご活躍をお祈りいたします。

 

新現役ネット事務局

 

緊急事態宣言下のJR田町駅

4月7日に政府により発令された緊急事態宣言を受けて、新現役ネットも4月9日より活動を全面的に自粛している。これに伴い事務局スタッフも在宅勤務としているが、昨日は出勤可能なスタッフが田町の事務所に短時間集合して会議を行った。このため、一週間ぶりに電車を利用して田町に出たが、想像以上に電車が空いていた。下記は、午前1100頃、横浜駅から乗った東海道線の車内風景。

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田町駅も人の往来が少なく、多くの市民が外出を自粛しているのを実感すると共に、日本人のチームワーク、真面目さを感じた。近い内に新型コロナ問題が収束することを期待したい。

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次回からは、スタッフが事務所に出てこなくてもいいようにオンライン会議のトライアルテストを行ったところ、実施できそうな見通しが立ち良かった。

(事務局:TARO)

能「道成寺(どうじょうじ)」

引き続き「#STAY HOME」 、

事務局スタッフも在宅勤務で頑張っております。

感染拡大防止のために共に頑張りましょう!

今回の能は、「道成寺」を取り上げました。

ご在宅のひと時、お目通しいただければ幸いです。

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和歌山県日高郡にある天台宗の古刹「道成寺」には、「安珍清姫(あんちんきよひめ)伝説」と呼ばれる次のような物語が語り継がれています。

延長6年(929)、奥州の修行僧 安珍(あんちん)が熊野詣(くまのもうで)に出かけた時のこと、真砂まで来たところで庄司の娘 清姫(きよひめ)と出会います。清姫は美男の安珍を一目で気に入り求婚します。安珍は熊野から帰ってきたら結ばれようと約束し、修行へ向かっていきました。

待ちわびる清姫をよそに、安珍はそのまま帰ってしまいます。居ても立っても居られない清姫は恋心のままに安珍を探しにいき、やっとの思いで追いつくのですが、安珍は人違いだと言って逃げていきます。怒りにふるえ追いかける清姫に、日高川を船で渡って逃げる安珍、怒り一念の清姫は大蛇となって川を渡っていきました。

安珍は道成寺に逃げ込み、釣り鐘の中に隠れます。追ってきた大蛇は、その長い胴体を鐘に巻き付け、口から火をはき、終には、鐘もろとも安珍を焼き殺してしまいました。あとに残った大蛇も日高川に入水し消えていきました。

住持は二人が蛇道に転生した夢を見ます。法華経供養を営むと、安珍と清姫が天人の姿で現れ、熊野権現と観音菩薩の化身だった事を明かすのでした。

 

 能「道成寺」は、この悲哀物語の ”後日談” として作られました。

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春爛漫の道成寺、この寺ではある事情から、長らく釣り鐘が失われたままとなっています。

その鐘がようやく再造され、今日は新しい釣り鐘の供養が行われる日です。住職は寺男たちに「法要の場へ女は絶対に入れてはならぬ」と触れを出します。

そこへ一人の白拍子(しらびょうし)の女がやってきて、是非とも供養の舞を舞わせてほしいと頼みます。寺男は断りきれずに女を入れてしまいました。

供養の場へ入り込んだ白拍子は、見事な舞を舞いながら次第しだいに鐘に近づきます。そして到頭けたたましい音とともに釣り鐘を落とし、鐘の中に入ってしまいました。

騒ぎを聞いてかけつけた住職は、道成寺の鐘にまつわる恐ろしい話を語り始めます。それは、恋した男への執心のあまり大蛇となった女の物語でした。大蛇は、釣り鐘に隠れた男を、恨みの炎で鐘もろとも焼き殺してしまったというのです。驚きおののいた僧たちは皆で祈祷し、釣り鐘を引き上げます。

すると鐘の中から蛇体となった女が現れ、大蛇は鐘を焼くその炎でみずからの身を焼き尽くし、日高川の底深くへと姿を消していきました。

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能「道成寺」は、若手能楽師の登竜門と言われる重要な曲です。そのため、能楽師のプロフィールには、「道成寺」を披いた(最初に演じた)年がよく記されています。

また、能楽堂には舞台の ”天井” と ”むかって右奥の柱したほど” の2箇所に金属性の輪っかが取り付けられていて、これは道成寺の釣り鐘を吊るすためだけの金具です。

白拍子が鐘の中にはいるタイミングに合わせ、吊るされた約70キロの鐘が舞台上に落とされる「鐘入り」と呼ばれるシーンは、うまくタイミングを合わせないと大怪我につながりかねない緊張する場面です。落とされた狭い鐘の中で、能楽師は次の場面にあわせ、装束、髪型、面の付け替えを一人で行うのです。

 

道成寺縁起「安珍清姫伝説」は、能の他にも「道成寺物」として歌舞伎や文楽の演目に多く取り入れられています。

大蛇になってしまうほどの一途な恋心、、哀しくも純粋な気持ちに触れた思いになります。新型コロナが収束した暁には、道成寺に行ってみたいと思いました。

 

(事務局:ふな)