先日、新現役ネット理事の残間里江子氏が代表を務めるクラブ・ウィルビー
主催の「willbeアカデミー2017」に参加した。場所は、東大学術記念館。
出席した講義は、精神科医で作詞家の北山修氏が講師の「劇的な精神分析入門」。
同氏は、ある世代以上はほとんどの人が知っている「帰って来たヨッパライ」
(1967年)で一躍有名になったザ・フォーク・クルセダーズのメンバーで
「戦争を知らない子供たち」や「あの素晴らしい愛をもう一度」などのヒット曲
の作詞家でもある。難しい講義テーマを、精神科医としてアカデミックに掘り下げ
ながら作詞家らしく言葉巧みに楽しく解きほぐしたユニークな講義であった。
例えば、“精神科医は、人生を演劇と見立てて、人生の台本を読み解くという
視点をもつ。その人生とは、幼い頃に特別な他者と形成した台本を相手役
を変えながら無意識に反復する“というもの。又、治療法として「筋(反復)の
三点観測」、即ち、過去、最近、今・ここ、で同じことを相手を変えながら行って
いないかを見る。そして「人格の三角形をなぞる」、即ち、人の心の構造は、
エス(衝動・本能)、超自我(良心・規律)、自我(エスと超自我のバランスを
取りながら現実的な対応・防御をする)から成っておりこれらを観察する、
といった説明が(正しく理解できているか自信はないが)面白かった。
興味深い具体例を交えた軽妙なトークで、学問+エンターテインメントとも
いえる新しいジャンルを初体験した一時であった。
TARO