新現役!シニアわくわくブログ

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先週の新聞書評欄から(2の1)

 

日経新聞に目を通す機会が少ない方を対象に、前回と同じように、10月14日(土)の日経新聞書評欄を眺めてみます。

書評委員による長文の書籍紹介は5本。今週は小説がないという珍しい週です。しかも、それほど頻繁に取り上げられるジャンルではない「音楽」に関係した書籍が2本あるという、これも珍しい構成となりました。

 

ホワイトハウスのピアニスト」(クリフ著・松村哲哉訳・白水社)は、米ソ冷戦中のエピソードとして永遠に語り継がれるであろう、一人のアメリカ人ピアニストのドキュメンタリーです。彼の名は、ヴァン・クライバーン。ソ連が国威発揚を目的として設立したチャイコフスキー国際コンクールの記念すべき第1回目(1958年)のピアノ部門優勝者です。弱冠24歳のテキサス青年の人気は、まずモスクワで火がつき、英雄としてアメリカに凱旋帰国します。これはその時の、路上パレードの風景です。

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このように、月から帰還した宇宙飛行士のようなパレードを繰り広げたピアニストなど、空前絶後ではないでしょうか。クライバーンは、2013年79歳で亡くなります。アメリカでは、クライバーンの名を冠したメジャーコンクールができるなど、その名声が衰えることはありませんでした。ただピアニストとしてのクライバーンは、おそらく音楽史の片隅にひっそりと名が刻まれるほどの存在でしかありません。この本の表題が示すように、米ソ(米ロ)首脳会談の際には、常にと云っていいほどクライバーンの晩餐会演奏がセットされました。その演奏が実際、軍縮交渉などの雰囲気づくりに大きな役割を果たしたそうです。音楽と政治との関係は、ナチスとフルトヴェングラーに代表されるように、音楽家の悲劇が強調されることが大半ですが、米ソが奇しくも協力して作り上げた”英雄”クライバーンの場合は、本人の純朴な性格も相まって、全く特異な成果を生み出したのでした。書評者は音楽評論家の林田直樹氏。冷戦時代の様々な知識も必要になり、なかなか大変な作業だったのではと推測されます。

もうひとつの音楽関連書籍「魅了されたニューロン」(ブーレーズ他著・笠羽映子訳・法大出版局)も採り上げたいのですが、いささか長くなってきたので、稿を改めます。(ターサン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1017日、日本橋水天宮にあるロイヤルパークホテルで開催された「日本中近東アフリカ婦人会」主催のCharity Bazaarに新現役ネットの事務局スタッフが参加してきました。当日は、アフリカと中東の大使館提供の手作り料理や民芸品が所狭しと並び、各国大使館のブースや手作り品コーナー、掘り出し物を集めたコーナー、各国の民族衣装を着た踊り子によるショーや音楽などなど。ここは本当に東京の日本橋?と思うほど、大勢の参加者の熱気と明るい音楽に包まれ、楽しいひと時を過ごしました。

本バザーは2年に1度開催されるそうで、次回は2019年の開催です。(by Sakae)

 

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大盛況の会場内 

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鮮やかな民族衣装を着て楽しいダンス

 

 

 

 

社会起業家フォーラムに参加して

先週末、都内で開催された社会起業家フォーラムに参加した。「自分のミッション(存在意義)」というテーマで10人の若手社会起業家が、それぞれの分野で社会課題に向き合う活動についてスピーチリレーを行った。いずれのスピーカーも高い志を持っているからであろうが、言葉が熱く、話の組み立てもしっかりとしていた。最近の若い世代は、プレゼンテーションの上手い人が多いと思う。活動を始める契機となったのは、ある人と出会って刺激を受けたという話が多かったが、その前から活動に繋がる問題意識を持っているからこそヒトやコトと出会って刺激を受けるのだろう。色々なバックグラウンドを持つ若い世代がそれぞれの場所で社会課題に取り組む姿に大変感銘を受けた。 シニア世代の我々も何ができるか考えていきたい。

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 (スピーカー)
1. インドネシア・バリを拠点に、「次の世代に残せる未来」を創出すべく、社会変革を起こす「人」と「団体」を支援・育成する子育て夫婦
2. 虐待・トラウマ・発達障害臨床に携わり、医療の中で出会った子供たちを取り巻く課題に取り組み、新たな共助のネットワークを作ることで子どもの育ちと学びの社会化を進める精神科医
3. オフィスだけでなく子育てもシェアする新しくて古いコミュニティの場を提供する起業家
4.  がんサバイバーと支える全ての人たちを繋ぎ、がん全般の啓蒙活動をおこなっている女性モデル
5.  LGBTやいろんな人と、違いを力に変えながら、違いが当たり前の社会をつくる活動に取り組むフェンシング元女子日本代表選手
6. ウガンダに直営工房を持ち、アフリカ布を使用したバッグやトラベルグッズを企画・製造・販売する会社を立ち上げ、現地の女性たちの雇用創出と自立支援を行う女性起業家
7. 歴史的、文化的、建築的に貴重な住宅建築(住宅遺産)を保存・活用し、次世代に引き継ぐ活動を行っている女性建築家
8. 漁業を「カッコよくて、稼げて、革新的」な新3K産業に変え、担い手があとをたたな いようにするために、地域や職種を超えた漁師集団をつくり活動している元ITビジネスマン
9. 不登校、ひきこもり等の子どもの支援を通じ、どんな子にも自分に合った教育を受けられる社会を目指して活動している教育者

 (事務局:TARO)