海(海洋)は、地球表面の約7割を占めるのだそうです。新現役ネット見学会でおじゃましたJAMSTEC(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology:海洋研究開発機構)は、海洋に関する基盤的研究開発と観測から得られたビックデータの解析、10年後、20年後に利用できる独創的な先端研究などに取り組まれ、有人潜水調査船「しんかい6500」をはじめとする多くの研究設備を有しています。
今回、全国7か所にある事業所のうち横須賀本部を訪問し、オーバーホール(分解整備)を受ける「しんかい6500」や、支援母船「よこすか」への乗船、しんかい6500の実物模型や深海生物標本などを展示してある「海洋科学技術館」を見学しました。その後、海底資源研究開発センターセンター長 木川栄一氏による興味深い講演をお聴きしました。
◆実施日:令和元年11月18日(月曜)
◆場 所:JAMSTEC 神奈川県横須賀市夏島町
◆行 程:京急「追浜駅」集合 ⇒ 路線バスで移動 ⇒ JAMSTEC到着、活動の紹介、2班に分かれて見学開始、「潜水調査船整備場」、「よこすか」乗船、「海洋科学技術館」⇒ 講演15:00~ ⇒ 路線バスにて帰路
◆講 演:「海底資源:成因と地球環境、そして開発の現状」
木川栄一氏(海洋研究開発機構・海底資源研究開発センター センター長)
有人潜水調査船「しんかい6500」
深海潜水調査船支援母船「よこすか」 提供:海洋研究開発機構
停泊中の「よこすか」に実際に乗り込み、船員の方の個室やシャワールーム、洗濯室などが並ぶ狭い廊下を通り、階段を上ると180度視界の操舵室に到着。ずらりと並んだ各種の機器をみせていただき、キャプテンが座る椅子にも座るなど、なかなかできない経験を楽しみました。お天気に恵まれ、操舵室から湾の向こうの横須賀基地の軍艦も見えました。
1989年に完成した「しんかい6500」は、深度6500mまで潜ることができ、日本近海に限らず世界中の海底地形や地質、深海生物などを調査、2017年には通算1500回目の潜航を達成したそうです。現在運航中の大深度まで潜ることのできる有人潜水調査船は、世界でも7隻、その中で「しんかい6500」は、世界の深海調査研究の中核を担う重要な役割を果たしているそうです。
海洋科学技術館では、「しんかい6500」の実物大模型があり、マニュピュレーター(ロボットアーム)を動かしたり、定員3人の操縦室に入って室内の狭さを体感しました。丸い覗き窓から深海に生息する貝類の模型も観察し、深海調査隊の気分を味わいました。
見学翌日には、テレビ番組『プロフェッショナル仕事の流儀(NHK総合)』で「しんかい6500」が取り上げられ、見学したばかりの場所が次々と映像で流れ興奮しました。
1平方センチメートルあたり約680kgf(深度6500メートル時)という水圧がかかる深海での調査は、現代においても容易ではないため未踏の領域がまだ多く残されているとのことで、今後の益々の研究と発見を期待しています。
(事務局:ふな)