年があらたまり、早くも半月が経とうとしています。
近年、御朱印の拝受とともに七福神めぐりも静かなブームなのだそうです。
七福神の由来は、『仁王般若経(にんのうはんにゃきょう)・下巻』にある「七難即滅・七福即生」という言葉とされ、福徳授与の神である七福神を参拝すると、七つの災難から逃れ 七つの幸福を授かるということで、徳川家康も信仰したとのこと。
各地に七福神を祀る寺社が建てられ、江戸中期には正月の風習として定着したそうです。
新春の外出イベントとして、1月29日火曜日に、東京散歩(番外編)『新宿山の手 七福神めぐり』を企画しました。平成最後の年、たくさん歩きながら招福を祈願しましょう!
よろしかったら、ホームページやお電話で、どうぞお申込みください。
詳細・申込み⇒ https://www.shingeneki.com/common/details/forumevent/2809
企画に先立ち、七福神を構成する7柱、大黒天、毘沙門天、布袋尊、恵比寿天、弁財天、福禄寿、寿老人、の由来や見分け方について調べてみました。
●大黒天(だいこくてん):起源はヒンドゥー教のシヴァ神とされています。シヴァ神の化身マハーカーラがインド密教を経てチベット仏教、そして日本へと伝わってきました。漢字圏でマハーカーラは大黒天と翻訳され、日本古来から伝わる大国主命(おおくにぬしのみこと)との名前の類似性(大黒と大国)から習合し、今日の大黒天の形となったようです。
《見分け方》頭に頭巾、手には大きな福袋と打ち出の小槌。米俵に乗り、白鼠を従えた微笑の長者
《ご利益》財運福徳・五穀豊穣・出世開運・商売繁盛・子孫繁栄
●毘沙門天(びしゃもんてん):インドの神話にでてくる財宝神クベーラに由来すると言われます。中国に伝わる過程で武神の要素が加わりました。日本には毘沙門天、あるいは帝釈天の配下で北方を守護する多聞天として伝わりました。持国天、増長天、広目天と共に四天王のうちの一尊としては「多聞天」、独尊像としては「毘沙門天」と一般的に呼ばれます。
《見分け方》甲冑を着て、手にしているのは宝棒(槍)と宝塔
《ご利益》武道成就・降魔厄除・家内安全・夫婦和合
●布袋尊(ほていそん):中国 唐の時代に実在した僧侶 釈契此(しゃくかいし)がモデルと言われます。契此は衣服からはみでた大きなお腹をみせながら、杖と大きな布の袋(布袋)を持ち、施しを求めて町中を歩いていたと伝わっています。受け取ったお布施を布袋に入れ、時に吉凶や天気を占い、雪のなかで寝ていても彼には雪が積もらなかったという言い伝えもあります。辞世の句として、弥勒菩薩を読んだことから、弥勒菩薩の生まれ変わりとも。
《見分け方》衣服をまとっていない大きなお腹、手には大きな布袋
《ご利益》商売繁盛・家庭円満・千客万来・家運隆盛
●恵比寿天(えびすてん): 伊耶那岐(いざなぎ)命と伊耶那美(いざなみ)命との間に生まれた最初の子で川に流された蛭子(ひるこ)、または大国主命の子供の事代主神(ことしろぬしのかみ)に由来すると言われます。記紀神話において、建御雷(たけみかづち)之男神が国譲りを迫るため、美保ヶ崎(現在の島根県松江市美保関町、島根半島の東端)へ向かったところ、事代主神が釣りをしていた故事により、釣り竿を持っているとのことです。
《見分け方》風折烏帽子をかぶった狩衣姿、釣り竿を持ち、鯛を抱える姿が一般的
《ご利益》商売繁盛・除災招福・五穀豊穣・大魚守護
●弁財天(弁才天)べんざいてん:七福神のなかで唯一の女神。ヒンドゥー教の女神サラスヴァティ(ビシュヌの妻、のちブラフマーの妻)が起源と言われます。聖なるインダス河の化身、水の神が、中国に渡り守護国家の神となり、日本では仏教が広まった平安時代に宗像3神のなかで最も美しいとされる市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)と習合しました。
《見分け方》琵琶を持つ女神
《ご利益》学徳成就・諸芸上達・福徳施与・恋愛成就
●福禄寿(ふくろくじゅ):起源は中国道教に由来し、南極老人星(カノープス)の化身と言われます。「生」を司り、道教における人生の三大目標、すなわち、福(幸福)・禄(身分、財産)・寿(健康、長寿)を兼ね備えた神様です。
《見分け方》頭が長く小柄。長い白ひげ、経典を結び付けた杖を持つ。傍らには鶴
《ご利益》延命長寿・立身出世・財運福徳・招徳人望
●寿老人(じゅろうじん):中国道教に由来し、前述の「福禄寿」と同一の神と言われます。寿老人は日本に渡ってきたあとに仏教など他の神と習合しなかったため、中国でのイメージがそのまま残った姿をしているそうです。
《見分け方》頭巾をかぶり、長い白ひげ。経典をつけた杖と桃を持ち、仙人のような風貌。傍らには牡鹿(長寿と自然との調和のシンボル)
《ご利益》幸福長寿・家庭円満・延命長寿・福徳知恵
※新宿山手七福神はこの7柱ですが、福禄寿と寿老人が同じ神様ということから、「寿老人」を【猩々(しょうじょう)】あるいは【吉祥天(きっしょうてん)】などとする地域もあるようです。
事務局:ふな