新現役ネットの正会員で、『珠玉の「一宮」謎解き紀行―全国津々浦々に鎮座する一〇三社を巡る―』の著者・齋藤茂樹さん。いくつかの出版社をまわり、最終的に本を出すことにした出版社の決め手は何だったのでしょうか?
それまで訪れた出版社に比べるとオフィスは小さく、スタッフも少ないところでしたが、編集費用や印刷代が安く抑えられているのが魅力でした。
7社の見積りを横並びにして詳細に検討しましたが、決め手となったのは、最終的に社長と会ったときに「日本では年間8万冊近い本が出版されている。その中で売れている本は1%にも満たない極一部の本だ。出版するからには少しでも売れたいというのが本音だと思うが、そんなに甘くないのが現実だ。この本もあなたが期待するほどには売れませんよ。もう一度出版する意義を考え、しっかりした意義の中で出版していただくことをお勧めする」とはっきり言ってくれたこと、そして在庫本の所有権は著者にあり、出版後の販売実績をきちんと報告してくれる、という二点でした。
「出版業界の闇」などという言葉を聞くことがありますが、費用や出版後のやりとりがあいまいになっている出版社が、実に多かったのです。
(齋藤茂樹さんプロフィール)
1946年東京都生まれ。自動車部品製造会社役員を退任後、「NPO法人 新現役ネット」の講座で古事記を学ぶ。それをきっかけに全国の一宮をめぐり、本を上梓。