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千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)見学 その3

宇宙空間で発生する「衝突」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

東京ディズニーランドには、スターウォーズを題材に、飛び交う隕石や、敵の光線を避けながら宇宙船が進み、時には衝突しながらも無事に地球に帰還するアトラクションがありますね。

あるいは、恐竜が絶滅した原因のひとつとしてあげられる「巨大隕石の地球への衝突」を想像するかたもいるでしょう。北米ユカタン半島には、チクシュループ・クレーターという名の直径約160キロメートルにおよぶ小惑星衝突跡があります。これは白亜紀末(約6550万年前)にできたと言われ、この衝突による放出物により、太陽光がさえぎられ地球が寒冷化、食物連鎖の上位にいた恐竜などが絶滅したという説があります。(衝突した小惑星の大きさは、直径10~15キロメートル、衝突速度は毎秒約20キロメートルと推定されています。)

千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)の見学 [2019/1/15実施] では、「衝突銃」と呼ばれる実験装置のある『高速衝突実験室』の内部も見せていただきました。この実験室では、宇宙空間で起きると考えられる様々な現象に対応する基礎データの蓄積を行っています。

「衝突銃」は、詳しくは「二段式水素ガス飛翔体加速装置」という名称で、直径4~5ミリメートルの玉を、水素の圧縮と膨張をもちいた2段階の方式で、秒速最大約9キロメートルという物凄い速さに加速できる長い筒状の装置です。この速度は、日本にある研究施設のなかで最も速いそうです。

そばにあるテーブルの上には、金属板が何枚も置かれ、そこには、直径5ミリメートルにも満たない玉がぶつかってできたものとは思えない、大きくえぐれた衝突跡が残っていました。また、天然石など材質の違う色々な玉や、金属板も材質の異なるものが置いてありました。

高性能カメラを使って、衝突によって発生した破片が、どれくらいの距離どんな風に飛び散るかを撮影したデータも集めているそうです。

同じ実験室で、衝突によって受ける衝撃を映し出したモニターも見せていただきましたが、それは、透明な玉の内部が衝突の直後、一瞬にして真っ白になるという衝撃的な映像で、冒頭に書いた恐竜絶滅をおもわずイメージしました。

この他にも、広い工作室の見学では、細いノズルの先から高圧の水を噴射し、その水の力で石やレンガなど含め、あらゆるものを切断することのできる機械をみせていただき、実際に木板をデザイン通りに切っていく過程もみせていただくなど、盛りだくさんの内容でした。

大学の構内を移動しながら最先端の研究に触れたあとは、学生さんたちに混じってお昼の券売機に並び、ん十年前の学生時代を思い出しながら学食メニューを味わいました。

熱意とともに根気のいる実験に、真摯に取り組む若者の姿に刺激を受け、清々しい気持ちで千葉工業大学をあとにしました。

ご協力いただきました関係の皆さまに心から御礼申し上げます。

 

事務局:ふな

*3回にわたってご紹介したPERC見学レポートもこれで終わります。