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キネマスキーの<たかが映画 されど映画>(その6) 映画は記憶の連鎖

長いこと映画を見続けていると、「この場面、どこかで観たことあるぞ」といった既視感に囚われることがよくある。
それはその筈、映画の作り手の多くにもこれまで彼らが出会った先輩作家の映像の蓄積があり、意図的、無意識を問わず、自らの作品にその映像やセリフを再現しようとする習性がある。

例えば、しがない古本屋の青年と有名女優の恋を描いたラブコメの秀作「ノッティングヒルの恋人」、その終幕の記者会見の場面はまさに半世紀以上前の名作「ローマの恋人」そのもの。
また、鬼才タランティーノの作品には必ずと言っていいほど、日本のアニメや時代劇、香港のカンフー映画などを思い起こすキャラクターや映像が出てくる。「キルビル」の女主人公ザ・ブライドなんて、梶芽衣子が演じた「修羅雪姫」の雪そのもの。白刃乱れる修羅場でかつて梶芽衣子が歌った「恨み節」が流れるに至っては、「パクリ」というより映画的記憶から生まれたオマージュそのもの。
テネシーの片田舎でひたすら日本や東アジアのB級映画に明け暮れたタランティーノ少年の青春時代に思いを馳せ、胸が熱くなる。

映画を観るものとしても、心の奥底に眠っていた映画の記憶を呼び起こされた時、その作品に出合った頃の事どもやその記憶に連なる映画たちが再びよみがえり、目頭が熱くなることたびたびである。ほんとうに映画好きでよかったな。

 

*キネマスキー
 年齢・国籍不詳。「単館荒らしのキネマスキー」を自称し、余り世上に上らぬ
 マイナーでオタクな映画世界の徘徊者。6年ほど前からNPO法人新現役ネッ
 トの映画講座「シネマの迷宮」を主宰。
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