新現役!シニアわくわくブログ

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ソーシャルビジネスコンテスト発表会に参加して

1月11日、大手町の日経ビルで開催された「日経ソーシャルビジネスコンテスト」の 最終審査会に参加した。2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに、社会課題を解決するアイデア/ビジネスモデルを提案するもの。359件の応募の中から15組がファイナリストとして選ばれ、同日、審査員の前でプレゼンテーションが行われた。審査結果は2月に発表予定。

ファイナリスト15組の内、2組が高校生で驚かされた。一人は、環境問題の改善を日本の食卓からアプローチするもので、農業体験や料理体験を提供することで人々の食と環境への関心を高めることを目的とし、もう一人は過疎地域の課題を、その地域の資源を生かして解決する取り組みを行うものである。彼らの意識の高さに感心したが、事業性の説明がほとんどなかったのが高校生らしいかなと思った。

その他、3組が大学生で残り9組が社会人だった。訪日外国人を対象にしたインバウンド  ビジネス、高齢者の転倒による骨折を減らすために転んだ時だけ柔らかくなる床やマットを提供するもの、前科者就労サポート、空き家を活用した生活困窮者への住宅供給事業、セネガル(アフリカ)に電気と通信を届ける事業などいずれも興味深かった。その中で、地球温暖化防止を目的とした熱帯果樹のパッションフルーツによる緑化で日陰を作り、ミストを噴射して気温を下げ気温差により風を吹かせて涼しい空間を作ろうという事業提案があった。日本だけでなく中東のような砂漠の多い地域に、保水技術との組み合わせでパッションフルーツによる緑化ができたらすばらしいと思う。

(事務局:TARO) 

朝ドラ「スカーレット」

NHKで放送中の「連続テレビ小説」(通称「朝ドラ」)、ご覧になっていますか?現在放送中の101作目『スカーレット』は、陶芸家を目指す女性の半生を軸に描かれ、毎朝楽しみに観ています。特に、主人公きみちゃんの旦那さん「八さん(八郎さん)」、とっても魅力的ですよねー!脚本が女性なのか「言われてみたい言葉の数々」が八さんの口から飛び出します。朴訥とした雰囲気の八郎さん、そこがまた良いよねーと私の周りでも女性に大人気です。

そんなスカーレットの舞台、滋賀県信楽と言えば「タヌキ」、「他を抜く」に通じる縁起物の置物として有名ですよね。信楽タヌキが全国区となったきっかけは、昭和天皇の信楽行幸だそうです。たくさんのタヌキに日の丸の小旗を持たせ、沿道にずらりと設置したところ、感激した昭和天皇は歌に詠まれ、その逸話が新聞報道され有名になったそうです。

「をさなきとき あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸をみれば」

昭和天皇がタヌキの置物を集めておられたというエピソードも楽しいですね。

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写真はよく見る信楽たぬき、持ち物や姿にそれぞれ意味があるそうです。

【信楽狸(たぬき)八相縁起】 石田豪澄和尚

笠:思わざる悪事災難避けるため 用心常に身を守る笠

顔:世は広く互いに愛想よく暮らし 誠をもって努めはげまん

目:何事も前後左右に気を配り 正しく見つむる事忘れめ

通帖:世渡りはまず信用が第一ぞ 活動常に四通八達

徳利:恵まれて飲食のみに事足りて 徳はひそかに我身につけん

腹:物事は常に落ちつき さりながら決断力の大肚をもて

金袋:金銭の宝は自由自在なる運用をなせ

尾:何事も終わりは大きくしっかりと 身を立てるこそ真の幸福 

 

愛嬌抜群の風貌に、このような意味があったと知って驚きました。

『スカーレット』は3月末迄。残りの日々、きみちゃん、八さんとともにタヌキくんも応援します!

 

(事務局:ふな)

能「葛城(かづらき)」

葛城山(大和葛城山)は大阪府と奈良県の境に位置し、かつては、南北に連なる金剛山と葛城山との総称として用いられていたようです。

日本書紀に描かれた神武天皇の東遷物語には、「手足が長く土蜘蛛のような住民を葛の蔓で網を作り捕らえた。これよりこの地をかづらきと呼ぶ」という一文があり、この地に土着の民が集落を形成していたことが窺えます。

時代はくだり、修験道の高祖 役行者(えんのぎょうじゃ)として知られる役小角(えんのおづめ)は葛城山の麓で生まれ(634-706伝)、この山で修行したと伝わります。役行者の数多い伝承のひとつに次のようなものがあります。

葛城山で修行し呪法を身に着けた役行者は、葛城山と金峯山の間に橋を架けさせようと葛城山の鬼たちに命じます。けれど、彼らは自分たちの顔が醜いので顔の見えない夜に作業するといいます。夜だけでは作業がなかなか進まず、怒った役行者は葛城の神を呼びだし呪縛し谷底へ置き去りにしました。

能「葛城(かづらき)」は、これらの故事をもとに作られたとされています。

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出羽国 羽黒山の山伏一行が葛城山を訪れたところ吹雪にあい、立ち往生していると、そこへ一人の女が通りがかります。女は山伏たちを気の毒に思い、一夜の宿にと自分の庵へ案内します。この山で採れる“楚樹(しもと)”と呼ばれる小枝を焚いて山伏をもてなし、葛城山と楚樹にまつわる話を語ります。やがて山伏が夜の勤行を始めると、女は身の苦しみを救ってほしいと告げ、自分は葛城の神であり、いにしえ役行者から修行者のための岩橋を架けよと言われたができなかった。そのため、役行者の法力により葛の蔦で縛られ苦しんでいるのだと明かし、消えていきます。

その夜、山伏たちが祈っていると、葛城明神が姿を現します。苦しみやつれた姿でしたが、天岩戸の昔を再現し、大和舞を舞います。やがて暁どき、女神は醜いわが身があらわになることを恥じて、岩戸のなかへ消えていくのでした。

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葛城明神が女神というのは、能の作者の創作と言われていますが、中世まで葛城山が高天原や天岩戸伝説の舞台と考えられていたようなので、天岩戸を再現する女神と結び付けたのかも知れません。

 能「葛城」は、冬の能ですが、ツツジの季節の大和葛城山(標高959メートル)は、山肌が写真のようにツツジの赤に染め上がるそうです。

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(事務局:ふな)