新現役!シニアわくわくブログ

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木村太郎さんを迎えて~第53回新現役宣言フォーラム~ その5=最終回

 今回のフォーラムのゲスト木村太郎さんは、大半の予想に反したトランプ大統領の誕生が、実は反グローバリズムの潮流にのったアメリカ世論によってもたらされたものであることを、豊富な取材量に基づくエピソードなどから、解き明かしてくれました。木村さんの講演後、岡本理事長との対談や会場とのやり取りでは、さまざまな国際問題が俎上にあがりました。このフォーラムの模様は、9月頃に発行予定の新現役ネット機関誌「らいん」に掲載する予定です。

 さて6月17日に開催された本フォーラムから約1か月が経ち、その後大阪で開かれたG20サミットで再度来日したトランプ大統領は、お得意のツイッター外交を駆使して、板門店の休戦ラインをまたいで金正恩と握手するというパフォーマンスを演じました。山積する国際課題の数々。長期戦となりそうな米中経済摩擦、イラン問題、東アジアを巡る諸問題等々。事態は刻々と動き、予想通りの、或いは予想外の展開を見せています。

 今回のフォーラムは、木村・岡本氏という我が国屈指のアメリカ問題の専門家による、大変興味深いものでした。木村さんが言葉の端々で紹介された、アメリカの世論を形成する草の根の動きやその傾向は、いづれも具体的で新鮮な情報でした。ベテランジャーナリストの懐の深さに感銘を受けました。    T生

 

第5回泊浜「結の会」支援ツアー

新現役ネットが継続して支援し、通算15回目(「結の会」と名前を変えて5回目)となる宮城県南三陸での活動報告です。

2011年3月11日の東日本大震災から8年3ヶ月を経過した泊浜の様子をお伝えします。

《日 程》 2019年7月7日(日)~8日(月)

《参加者》 15名(13名 + 事務局2名)

《行 程》

1日目:東北新幹線「くりこま高原駅」集合→さんさん商店街、旧防災センター遠景視察→番屋訪問、クレーン視察、泊浜防潮堤建設現場→高倉荘懇親会

2日目:EVFどんぐりプロジェクトの植樹地視察・海産物問屋「三栄水産」にて買い物→田束山(標高512m)→昼食(伊豆沼農場レストラン「くんぺる」)→「くりこま高原駅」解散 

※三陸縦貫自動車道の開通により、「くりこま高原駅」から「さんさん商店街」までのアクセスは、ぐっと良くなっていました。

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さんさん商店街駐車場脇に設けられた献花台 旧防災庁舎は赤い矢印の場所です

旧南三陸町防災庁舎は、前回訪問時の半年前よりも周囲の盛土が一層高くなっていて、3階部分がかろうじて見える程度になっていました。

震災1年目には見上げる高さだった同じ建物と思えない、、ご参加の方からこんな声をお聞きしました。

※写真をクリックすると大きくなります。

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新現役ネットの支援により建てられた番屋の内部
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番屋周辺も防潮堤の建設が始まっていました

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泊浜地区の防潮堤完成は2020年1月とのことです

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高橋才二郎氏

泊浜契約会最高顧問 高橋才二郎氏と、同会副会長のもうひとりの高橋氏も懇親会に同席され、お二人から南三陸町の近況についてお話を伺いました。

防潮堤の完成を待ち望むお気持ちや、三陸高速道が開通したことでバスの便が却って不便になってしまったこと、JRの線路を使ったBRT(バスを使った大量輸送システム)の使い勝手など、復旧復興が進む一方で多くの課題が残されていると実感しました。

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こんなにも豊かな三陸の海の幸

翌朝、新現役ネットから派生してできたNPO団体:EVF(環境ベテランズファーム)のどんぐり植樹地を見学しました。わたしたちの訪問の2週間前に植え付けが行われた苗木とともに、昨年の苗木も無事に元気に育っていることを確認しました。

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昨年秋に植え付けたドングリの苗木も無事に根付き、新芽がでていました

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その後、田束山へ。山頂からは三陸の海を一望できました。

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田束山(たつがねさん 標高512m)南三陸町と気仙沼市にまたがる位置にある

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地域のために尽力しておられる方々と交流を深め、未曽有の災害から立ち上がっていく南三陸の様子を肌で感じることができる貴重な機会となりました。

ご参加の皆さま、ありがとうございました。
 

 

新現役ネット事務局

 

 

キネマスキーの<たかが映画 されど映画>(その18)国家権力の闇に挑むジャーナリズム -映画「新聞記者」製作陣に拍手!-  

たわみ切った日本映画界にあって、久し振りに硬質な政治映画に出会った。

官邸、内閣調査情報室、公安などの権力機構によるネットを使っての世論誘導に挑戦する果敢なジャーナリズムの姿を、社会正義を求める女性記者と正義と職責のはざまで葛藤する若きエリート官僚のせめぎあいを通じて描いた政治サスペンス「新聞記者」である。

最近のアメリカ映画には、「スポットライト」、「ペンタゴンペーパーズ」、「バイス」といった政治批判映画の秀作がある。ただ、これらの作品が過去の政治スキャンダルに材を得ているのに対し、「新聞記者」は、「総理のご意向」忖度の加計学園問題と前川元文科省次官の辞任騒ぎや、官邸べったりのジャーナリストのレイプ疑惑もみ消しといった現下の政治的な出来事を想起させる。

独り勝ち政権下の今、国家権力の闇とも思えるこういった題材を取り上げた製作陣の蛮勇には敬意を表したい。製作陣のスタッフ、キャストなどの起用方法にも表に現れない悩みと苦労があったに違いない。

ただ、映画の出来具合についてはいささか不満もある。

上記のアメリカ映画には、スポーツを観るような爽快感やエンタテインメント性が映画としての成功を支えていたが、「新聞記者」の「生真面目さ」がどこか映画としての「つまらなさ」を生じさせているような気がしてならない。

これは今の日本の政治風土にも相通じることで、日本のリベラルが真面目であればある程、一般大衆にはつまらなく映るのではないか。トランプ米大統領のネットを駆使してのバカバカしい程乱暴な政治的所作に象徴されるような「面白さ」が日本のリベラル勢に欠けているのではないか。

この作品を通じて図らずも今様の日本人の政治的メンタリティに思い至ったことは、「新聞記者」の映画性自体が示す政治的時宜性の裏付けなのかもしれない。

 

<キネマスキーのプロフィール>

年齢・国籍不詳。「単館荒らしのキネマスキー」を自称し、余り世上に上らぬマイナーでおタクな映画世界の徘徊者。7年ほど前から、NPO法人新現役ネットの映画講座「シネマの迷宮」を主宰。

 

*新現役ネット映画サロン「シネマの迷宮 この映画知ってる?」

  日時:毎月第一土曜日 13:30~

  場所:NPO法人新現役ネット田町会議室(JR田町駅三田口至近)

       お問い合わせ:03-5730-0161