新現役!シニアわくわくブログ

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能楽セミナーに参加して

先週末、能の基本が学べる体験セミナーに参加した。能は、日本の代表的な伝統芸能として関心はあったが、いきなり舞台を見てもよく判らないと思っていたところ、当事務局スタッフより同セミナーの紹介を受け参加した。場所は、江東区の隅田川沿いにある芭蕉記念館で、その中でも大変趣があり能を学ぶのにふさわしい和室。講師は、能楽5流派(シテ方)の中で最古の歴史を有するといわれる金春流の現役能楽師 山井綱雄氏。重要無形文化財(総合認定)保持者。具体的な演目(10月26日、国立能楽堂で開催予定の「蝉丸」)を題材に、能の登場人物(シテ、ツレ、ワキ、アイ等)の役割、物語の由来や見どころなどを、ユーモアを交えてとても判り易く解説してもらい大変興味深かった。また、能の世界において、他流派と共演はしないとの不文律があるそうだが、「蝉丸」では観世流の能楽師 梅若紀彰氏にツレを演じてもらい、更には、東京オリ・パラリンピック開閉会式総合統括に就任した野村萬斎氏が、同日の狂言だけでなく、「蝉丸」のアイ役も演じるとのこと。ここまで話を聞いたら誰しも「蝉丸」を見たくなるのではないだろうか。本セミナーに一緒に参加した友人は早速チケットを購入していた。

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解説の後は実践編で、能を演じるときの構(かまえ)、すり足、謡のレッスンを受けた。構がマインドフルネスと同様に目の前にあるものに集中することでリフレッシュ効果があり、すり足が日本古来の走法であるナンバ走りと同じ身体の使い方をし体幹が鍛えられる、又、謡は腹に力をいれて発声するので同じく健康維持にも良いとの話も興味深かった。能は、舞台を見て楽しむだけでなく、能の仕舞(しまい)を学ぶために練習することも面白そうである。

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事務局:TARO

沖縄、そして安室フィーバー!

 連休を利用して、2泊3日で沖縄に行ってきました。沖縄で亡くなった友人の一周忌に参列するためです。ただし沖縄はご存じの通り、9月15・16日に行われる安室奈美恵の最終公演のため、前日の夕方那覇空港に降り立ったときから、「宴の前」というような独特の雰囲気を感じました。

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  そうしたフィーバーはさておき、沖縄の熱さは尋常ではありません。東京の猛暑時と全く同じ陽射しが差し、猛烈な湿気が襲いかかります。フィリピンに甚大な被害をもたらした台風22号の影響もあったそうですが、9月半ばの沖縄の気候はこんなもののようで、10月に入っても似たような天気もあるとか。むかしの人は空調もないのに、よくぞこの気候に耐えたものだと思います。私は屋外に1時間近く座っていたら、軽い熱射病のようになり、ホテルで鏡を覗いたら、臨海学校帰りの中学生のように鼻のアタマがまっかに焼けていました。

 沖縄の食といったら「肉」というのが、私のイメージです。前回訪れたのは20年以上前で、「ゆいレール」という都市モノレールはまだ走っていませんでした。その頃に松山地区で食べたステーキも美味しかった、今回一緒に来た友人と、国際通りの「88」というチェーン店で220gのサーロインステーキを食べ、幸せな気分になりました。

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 亡くなった友人宅は、安室奈美恵のコンサートが行われる宜野湾とは反対方向にあり、道路もスムーズに走れます。仏壇に線香を手向け、奥様や友人と少し話し、更に夜に催された「偲ぶ会」に出席して、胸が熱くなる特別なときを過ごしました。

 今回の沖縄は「安室フィーバー」とともに県知事選の最中でもあり、何か街全体が浮き立っていました。またゆっくりと訪ねたいと思います。少し寒いけれど、1月辺りに訪れると桜が見られるそうです。(T生)

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↑ 首里城内で行われた琉球舞踊。

 

 

 

 

名月を楽しむ(能「融」によせて)   

暑かった今年の夏も過ぎ、秋風を感じる季節になってきました。

9月はお月見の季節ですね。今年の「中秋の名月」は9月24日(月曜日)、翌日の9月25日が満月です。

 太陰太陽暦(旧暦)の8月15日の夕方からでる月を「中秋の名月」と呼びますが、天文学的な意味で地球からみて月と太陽が反対方向になった「満月」と同じ日とは限らず、今年のようにずれることはしばしば起きるのだそうです。

 中秋の名月を楽しむ習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われますが、能の演目でも登場人物が月をめでるシーンがでてきます。

そのなかで今回は「融(とおる)」をご紹介したいと思います。

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 光源氏のモデルともいわれる平安初期の貴族である源融(生没年822-895)は、左大臣までのぼりつめ、自邸の六条河原院に陸奥の塩竈(しおがま)の景観をうつし、宇治にはのちの平等院となる別邸を営むなど、風雅の限りを尽くしたと伝わっています。一方で、嵯峨天皇の皇子として生まれ、皇位継承をのぞみながらも、左大臣とはいえ臣下の身分となるなど政治的には不遇であったと言われます。

そのような源融の故事をもとに世阿弥は能「融」を作りました。

旅の僧が都に赴き六条河原院を訪ねます。折しも中秋の名月の日、かつての風雅なたたずまいはすっかり廃れているその場所に、ひとりの潮汲みの老人があらわれ、源融が難波の浜から海水を運ばせ塩竈の風情を楽しんだことなど語り始めます。そののち源融の亡霊が僧の前にあらわれ、月影に戯れるような舞をまい、融の亡霊と僧は月にまつわる言葉をかわします。名月の照らす池に舟を浮かべた夜の宴を懐かしむうち、やがて夜が明け、融の亡霊は月の世界に戻っていくのでした。

 シンプルなストーリーのなかに、源融の栄華を象徴する河原院の邸宅の荒廃と、月光のもと昔を偲んで舞う優美な舞が幽玄の世界へと導いてくれる作品です。

 今月は月を眺めながら、能「融」のことを思っていただけると嬉しいです。

 新現役ネットでは、能楽講座のイベントを考え中です。
これから、ブログの中で能のご紹介もしていきたいと思いますので、どうぞ皆さまのご感想をお寄せください。

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                       国立能楽堂正門

(事務局:ふな)